株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

新型コロナな日々[なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(300)]

No.5010 (2020年05月02日発行) P.68

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2020-04-29

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

緊急事態宣言、大阪大学の教職員はレベル3から3.5に引き上げられ、「メディア授業のための立ち入り許可。現在、学内において急を要し、かつ、進行を止められない実験のみ許可」になっている。遠隔授業は家からでもできる。実験など何十年も前からやってない。もちろんミーティングも中止。う~ん、まったく行く必要がないやんか。

特に仕事が好きという訳ではない。というか、むしろ嫌いである。なので、大学へ行かなくてよくなって万々歳、かというと、そうでもない。必要最低限かといわれると困るけれど、郵便物の処理、それに、声を大にして言いたいが、極めて稀ではあるが、仕事をする上で資料が必要なこともある。

かといって、電車やモノレールに乗るのは気が進まない。ということで、行く必要がある時は自転車通勤に。そして、在宅仕事の日でも、生活のリズムを保つために、朝食後の通勤代わりに小一時間の散歩。

当然、5月半ばまで、公私ともにすべてのスケジュールがキャンセルになった。以前に書いたことがあるように、外食率6割を誇っていたのが、すべてなくなったことになる。この影響はえらく大きい。

家でもアルコールを飲むが、外で飲むのに比べると、量的にたかがしれている。もちろん、飲まない日もある。飲酒量は、以前の3分の1以下と超健康的な生活。えらいもんで、体重がどんどん減ってきた。

いいことずくめでもない。毎日、家で夕食を摂るので、それを決めるのがけっこう面倒だ。自分で作るわけではないけれど、文句を言われるのがイヤなのだろう、毎日のように妻に尋ねられるのである。

面倒なので、鶏・豚、肉(大阪で肉いうたら牛肉です)、魚、という食材の種類と、和洋中という調理法で、3×3=9通りにして、それをローテーションにメニューを決める。あまり思い浮かばないので、クックパッドを眺めたりしている。定年後、こういう平凡な日常がきっと楽しみになるだろうと思っていたけれど、心配になってきた。

演劇や映画もダメ。せめてお風呂屋さんや居酒屋と思うけれど、どうにも行く気がしない。こんな生活、とりあえずの期限である5月6日に終わったらええけど、延長になったらどないしたらええのやろ。これまでの経験から考えると2カ月が限界とちゃうかなぁと考えたりしとります。

なかののつぶやき
「晴れて、300回記念であります。なので、じつは、ちょっと偉そうな内容でもかまそうかと思っておりました。しかし、日夜現場でがんばっておられる先生がおられる中、そんなことを書いたら、反感を買うかもしれないという不安が…。そこそこ小心なのであります。なので、予定を変更して、新型コロナな日々について。これとて、呑気すぎるとお叱りを受けるやもしれませぬが…。」

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

関連求人情報

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top