脳卒中医療の急速な進歩の中、九州医療センターでは脳神経外科、脳血管内治療科と脳血管・神経内科が同一病棟で、毎日合同カンファレンスを続けている。脳卒中医療を学ぶ若き医師にとっては厳しい道場だが、良い研修環境を提供していると自負している。最近では、デバイスを用いた緊急カテーテル治療の登場により、重症の脳動脈閉塞症例にも劇的な効果が期待されるようになってきた。彼らは、将来、専門医資格を取得し、最高の技術をもって患者を救いたいと思っている。これは、内視鏡手術など急速に進歩している領域でも同様であろう。
医療者には4段階の目標がある。それは、①自己実現、②他者への貢献、③組織・地域への貢献、④社会貢献である。国家試験に合格し、希望する研修先で学び、専門医資格や学位を取得するのは自己実現。次に、与えられた任務を全うしつつ後輩やメディカルスタッフに経験や技術を指導・教育して役立つのが他者への貢献。さらに、長年の勤務から医療が充実すれば組織や地域(医療)への貢献となる。そして、これらの活動のひとつひとつが循環器病の征圧や国民の健康寿命の延伸に役立てば、自ずと社会貢献に繋がるのである。
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