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Under COVID-19の病院マネージメント[炉辺閑話]

No.5045 (2021年01月02日発行) P.17

内田信一 (東京医科歯科大学医学部附属病院病院長・腎臓内科教授)

登録日: 2020-12-30

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2020年4月から医学部附属病院の病院長を拝命しました。これまでのコロナ対策の院内のマネージメントについて振り返ってみますと、副院長時の2月に既に対策本部を院内に開きました。いわゆる災害医療にならった手法で、院内の意思決定は迅速さを要求されるということで、限られた数の病院幹部が集まるコロナ対策本部とし、一方、現場でのマネージメントや現場から本部へのフィードバックを担うアセスメントチームというチームをつくって対応しました。

当初はある程度こういった形が機能し、実際のコロナ患者さんの受け入れまでの準備がなんとかできたという面がありました。しかしながら、通常の災害と違い、現場では訓練で想定されていないことへの対応がほとんどで、しかも最前線の医療従事者自身が高いリスクを負わなくてはいけないという状況の下では、トップダウンで決めたことを単に現場に命ずるだけでは次第に機能しなくなりました。いろいろな場面を想定した対応フローの数は飛躍的に増大し、一方「そんな話をきいていない」「情報をどこに聞けばいいのかわからない」といった現場の不満が増大していきました。

結局は、毎朝対面で開いていた幹部だけの対策会議は、参加数を大幅(120名以上)に広げたZoom会議に変更し、その場で皆が情報共有し、意思決定をオープンなものとして、今もそのやり方が続いています。

マネージメント論でもトップダウン、ボトムアップ、ミドルアップアンドダウンなど、いろいろな形が提唱されていますが、対処法が未だに決まらないコロナという外圧に対しては、必然的に現場と執行部が一体となった協働的なマネージメントが必要となりました。その結果、上記のような意思決定プロセスが、大学病院にありがちなセクショナリズム打破につながる事例を多く生んでくれたことは嬉しい副産物でした。コロナ対応をきっかけに、生活・仕事様式を含めて社会が変わっていきますが、縦割り組織の最たるもの、といわれた大学病院も良い方向に変わっていけるのでは、と思っています。

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