No.5069 (2021年06月19日発行) P.68
中村悦子 (社会福祉法人弘和会「訪問看護ステーションみなぎ」管理者)
登録日: 2021-06-08
最終更新日: 2021-06-08
私が所属している「訪問看護ステーションみなぎ」がある施設内には、障害者のグループホームがあり、共生型のショートステイも可能なので高齢者も利用できます。
今日は、このグループホームで初めての看取りがありました。Sさんは93歳の独居女性で身寄りも少なく、88歳の時から、当時ショッピングセンター内で開設していた「みんなの保健室わじま」と「みんなのカフェわじま」を利用されていました。私が訪問看護ステーションの管理者となり、保健室やカフェと共に今の施設に移動してきたときも、引き続き通ってくれていました。
その後、Sさんは徐々にADLが低下したために本法人の定期巡回・随時対応型訪問介護看護を利用することになりました。そして、入院して退院するときや、体調を崩されることがあるとショートステイを利用して様子をみた後で、帰宅する計画を立てていました。
1年前から腎機能が悪化して、このままでは透析をしなければならないと言われていましたが、透析を受けるのは拒否されました。しかしながら春が過ぎた頃から全身のむくみがひどくなり、入院することになりました。新しく赴任してこられた医師は「なぜこんな状態で家に居られたのかわからない」と驚愕され、「退院は無理」と言われましたが、本人の「帰りたい」という希望を叶えるためにカンファレンスを開いて下さりました。そこで「まずはショートステイで体調を確認してから在宅へ」という方針が決まり、Sさんは退院してこられました。
退院後数日は食欲もあり、穏やかに過ごしていましたが、嘔吐したことを機に状態が悪化しました。結局、「自宅に帰りたい」という願いを叶えることはできませんでした。
しかしながら、ご長女とはリモートで会話でき、最期は大好きなご長男や施設職員に見守られて旅立っていかれました。施設職員に、貴重な出会いとお別れの時間を下さったSさんに心から感謝しご冥福をお祈りしたいと思います。
中村悦子(社会福祉法人弘和会「訪問看護ステーションみなぎ」管理者)[コミュニティナース]