薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は12月22日、バイオジェンとエーザイが共同開発しバイオジェンが昨年12月に承認申請したアルツハイマー病治療薬「アデュヘルム点滴静注」(一般名:アデュカヌマブ)について審議、「現時点で得られたデータから有効性を明確に判断することは困難」との理由で了承を見送り、継続審議とすることを決めた。
同部会は「今後実施される適切なデザインの臨床試験の成績等に基づき有効性・安全性について再検討し、その結果に応じて再度審議する必要がある」と指摘。これを受け、バイオジェンとエーザイは「医薬品医療機器総合機構(PMDA)と追加データについて前向きに協議していく」とのコメントを発表した。
部会の議論では「申請の根拠とされた2つの国際共同第3相試験の結果に一貫性がない」「脳内アミロイドβプラーク低下の臨床的意義が確立していない」などの意見が出された。
アデュヘルムは今年6月、アルツハイマー病治療薬として米FDAの承認を取得しており、厚労省での審議の行方に注目が集まっていた。
バイオジェンが申請していたアデュカヌマブの販売名/対象疾患
【販売名】アデュヘルム点滴静注170mg、同点滴静注300mg 【対象疾患】アルツハイマー病による軽度認知障害および軽度のアルツハイマー型認知症の進行抑制
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