1 オンライン診療の予習をする
オンライン診療のメリットは,①患者負担が軽減されること,②非対面で行えること,③プライベート空間で行えること,の3つ。
・規約について厚生労働省の指針や診療報酬の算定要件を確認する。
・オンライン診療の研修を受け,医師会の認証カードを入手する。
・学会のガイドや診察動画を視聴する。
2 自施設内でのオンライン診療の適応を確認する
【Q1】発熱外来や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)陽性患者に用いる?
⇨ 「はい」の場合は「6 発熱外来やCOVID-19陽性自宅療養者診察への応用」へ
【Q2】平時の診療に用いる?
・初診か再診か。オンライン診療の対象者のリストを見ながら検討。
【Q3】他の診療形態と連結する?
・在宅医療と連結(D to P with N)
・保険外診療と連結(緊急避妊,健診・検診)
3 オンライン診療システムを構築する
【プランA】汎用サービスを用いたシステムを自作
受付 ➡ 患者登録 ➡ 重症度評価 ➡ 診療計画同意 ➡ ビデオ通信機器による診察 ➡ 処方箋発行 ➡ 次回予約 ➡ 会計
【プランB】専門業者による包括的システムを購入
4 プライマリ・ケアにおける5つのポイントを踏まえ診療する
A 医師-患者関係が 構築されている/まだされていない
B オンライン診療支援者が いる/いない
C 医療機関に登録が ある/ない
D 診療区分が 初診か/再診か
E 症状 急性症状?/慢性疾患増悪?/重症?
5 診察のコツ
・患者の通信機器や通信状況を確認する。
・患者からオンライン診療を選択するに至った経緯を聞き取る。
・普段の診察を再現してもらう指示の出し方を工夫する。
・背景情報から適切な生活指導を行う。
6 発熱外来やCOVID-19陽性自宅療養者診察への応用
・トリアージによりオンライン診療または対面診療を案内する。
・呼吸状態の視診が大切。
・パルスオキシメーターの装着を指導する。
・適切な療養指導と急変時指示を行う。
7 今後に向けて,オンライン診療の質改善指標を考える
オンライン診療の安全性や有効性についての情報は,個々の医療機関だけで保有するのではなく,今後のオンライン診療の進展に向け社会全体で共有・分析されていくことが望ましい。