No.4853 (2017年04月29日発行) P.73
仲野 徹 (大阪大学病理学教授)
登録日: 2017-04-29
最終更新日: 2017-04-21
わたしの教授室から、「人類の進歩と調和」をテーマに開かれた日本万国博覧会の跡地、万博記念公園をすぐそこに見ることができる。万博開催から半世紀近くたって、木々は大きく育ち、大阪有数の桜の名所になっている。天候がうまい具合だと、視界がさえぎられるほどの桜吹雪が舞う。
そうして吹きだまった花びらをコンビニ袋いっぱいにつめて、花咲か爺さんよろしく撒くのが大好きだ。子どもかよ…。残念ながら、今年はそんな花吹雪日和はなかったけれど、お花見散歩には繰り出した。
公園の一角にあるEXPO’70パビリオンで「建築の記憶-大阪万博の建築」という特別展をやっていた。建築フリークとしては見逃す訳にいかず、立ち寄ることに。パビリオンのミニチュア、パネル展示などがあって、実になつかしかった。
物に対する執着心が薄いので、思い出の品などというのはほとんど残してない。けれど、万博のガイドブックだけは別である。パビリオンを全部まわってスタンプを押したもので、大事にとってある。はずだったのが、今回、写真を撮って載せようと探してみたら、どうにも見当たらない。貴重な品だから誰かに盗まれたのだろうか。そんな訳ないわなぁ。トホホである。
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