ライフル射撃競技でモントリオール・オリンピック(1976年)金メダリストのラニー・バッシャムが、勝つことの秘訣を説いた書(星雲社、1990年刊)
この本との出会いは今から30年前、医師国家試験の受験準備中、恩師の山本穆彦先生(秋田大学名誉教授)と奥様から初めてこの本を頂戴した時であった。本番に弱く要領の悪い医学生の私を気遣っての贈り物であった。著者のラニー・バッシャムは、自身がオリンピック射撃競技の金メダリストである。参加することに意義がある……の言葉は有名であるが、著者は金メダル獲得までの自身の苦い経験も踏まえ、「負ける子より勝つ子の方が幸せだ」「失敗は失敗を呼び込む、成功のイメージだけを強く持つこと」「勝者とそれ以外の人を隔てるものはたったひとつ『考え方』だけ……」と、勝つことの秘訣としてのメンタル・マネージメントの重要さを説く。質の高い努力を続けセルフイメージを高める方法をメンタル・マネージメントの10原則として、100頁にも満たない薄い冊子の中にそのエッセンスを簡潔に解き明かしている。
残り367文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する