厚生労働省の原德壽医政局長は13日、特定秘密保護法における「適性評価制度」について、医師の守秘義務に反するものではないとの見解を示した。同日の参院厚労委員会で民主党の足立信也議員の質問に答えたもの。
同法第12条は、行政機関の長に対し、漏洩により国家の安全保障を著しく損なう情報(特定秘密)を扱う者が精神疾患を有しているかなどを調査(適性評価)し、情報照会を受けた機関に情報の報告を求める権限を認めている。
この規定について医師でもある足立議員は「医療機関が患者情報を提供することになり、(患者情報の守秘を掲げた)ジュネーブ宣言に反する」と問題視。これに対し原氏は「報告の際には患者本人の同意が前提になる」として、医師の守秘義務違反には当たらないと答弁した。
適性評価を巡っては、日本精神神経学会が15日に「反対」の声明を発表するなど医療界から反発が出ている。