日本医師会の横倉義武会長、日本歯科医師会の堀憲郎会長、日本薬剤師会の山本信夫会長が9日、日本薬剤師会学術大会のパネルディスカッションに臨み、地域包括ケアをテーマに意見を交わした。
横倉氏は「多職種連携の基本は顔の見える関係づくり。10年前、多職種連携は医師の指示の下に全てが動くと言われていた。今でも医師の診断でさまざまな方針が決まるが、医師が他の専門職をリスペクトする気持ちがスタートになる」と強調した。
堀氏は「顔の見える関係づくり」の重要性に同意した上で、「歯科・薬局連携は、医科・歯科連携に比べると取り組むべき部分が多い」との課題を指摘。「ビスホスホネート系製剤を服薬しているなど、歯科の手術に影響が出る患者(の対応)などをきっかけに、連携が始まっていくのだろう」との見方を示した。
山本氏は、診療所、歯科診療所、調剤薬局を比較して「診療所、歯科診療所には目的を持って行くが、昔は『何となく変だから』と相談に行くのは薬局だった」とした上で、「薬局は患者の“ファーストアクセス”の場所であってほしい。そういう体制ができないと、医師にも負担をかける」との考えを示した。これに対し横倉氏は「『健康相談は薬局に』というのはその通り。今でも(薬局には)入りやすさがあり、それを利用しながら糖尿病などにどう対応するか(が課題)。症状の変化については医療機関との連携も重要になる」と述べた。