□ロコモティブシンドローム(locomotive syndrome:ロコモ)とは,運動器の障害によって歩行機能が低下した状態を言う。進行すると外出や日常生活,衣服着脱,トイレなど身辺動作に障害が出る。
□運動器の障害の主な原因には,骨粗鬆症,変形性関節症(膝,股関節),脊椎椎間板障害(椎間板ヘルニア,脊柱管狭窄症を含む),サルコペニアなどがある。これらが単独で,あるいは複合して歩行を障害する。
□早期の歩行機能の低下は歩行速度の低下として観察される。
□ロコモ度1の推定該当者数は4590万人(男性2020万人,女性2570万人),ロコモ度2の推定該当者数は1380万人(男性460万人,女性920万人)(いずれも40歳以上)である1)。
□局所:膝や腰,足の痛み,手足の関節や脊柱が硬くなった,姿勢が変わった,O脚変形。
□全身:歩く速度が遅くなった,階段の昇り降りがきつい。
□単純X線:膝(関節裂隙の狭小化,骨棘),腰椎(椎間板腔の狭小化,骨棘,側弯)。
□骨量測定:骨量の低下。
□機能評価テストを行い,状態に合わせたトレーニングを指導し,機能向上をめざす。
□立ち上がりテスト(図1):腕を組んで台に座り,そのまま両脚または片脚で立ち上がることができるかをみる。
□2ステップテスト(図2):大股で2歩歩き,最大歩幅(cm)を身長(cm)で除した値を2ステップ値とする。
□ロコモ25質問票4):疼痛,歩行,ADLなどに関する25の質問からなる。各問は,無症状(0点)~最重症(4点)の5段階で,総点は0点(障害なし)~100点(最重症)である。質問票は,日本整形外科学会の ウェブサイト5)からダウンロードして使用可能である。
□前述の3テストの結果をもとにしたロコモ度の判定を表に示す。
1190疾患を網羅した最新版
1252専門家による 私の治療 2021-22年度版 好評発売中
PDF版(本体7,000円+税)の詳細・ご購入は
➡コチラより