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ロコモティブシンドローム(運動器症候群,ロコモ)

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-10
中村耕三 (国立障害者リハビリテーションセンター顧問)
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  • ■疾患メモ

    ロコモティブシンドローム(locomotive syndrome:ロコモ)とは,運動器の障害によって歩行機能が低下した状態を言う。進行すると外出や日常生活,衣服着脱,トイレなど身辺動作に障害が出る。

    運動器の障害の主な原因には,骨粗鬆症,変形性関節症(膝,股関節),脊椎椎間板障害(椎間板ヘルニア,脊柱管狭窄症を含む),サルコペニアなどがある。これらが単独で,あるいは複合して歩行を障害する。

    早期の歩行機能の低下は歩行速度の低下として観察される。

    ロコモ度1の推定該当者数は4590万人(男性2020万人,女性2570万人),ロコモ度2の推定該当者数は1380万人(男性460万人,女性920万人)(いずれも40歳以上)である1)

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    局所:膝や腰,足の痛み,手足の関節や脊柱が硬くなった,姿勢が変わった,O脚変形。

    全身:歩く速度が遅くなった,階段の昇り降りがきつい。

    【検査所見】

    単純X線:膝(関節裂隙の狭小化,骨棘),腰椎(椎間板腔の狭小化,骨棘,側弯)。

    骨量測定:骨量の低下。

    ■治療の考え方

    機能評価テストを行い,状態に合わせたトレーニングを指導し,機能向上をめざす。

    ■アセスメントのポイント

    【ロコモ度テスト】2)3)

    立ち上がりテスト(図1):腕を組んで台に座り,そのまま両脚または片脚で立ち上がることができるかをみる。

    02_08_ロコモティブシンドローム(運動器…)

    2ステップテスト(図2):大股で2歩歩き,最大歩幅(cm)を身長(cm)で除した値を2ステップ値とする。

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    ロコモ25質問票4):疼痛,歩行,ADLなどに関する25の質問からなる。各問は,無症状(0点)~最重症(4点)の5段階で,総点は0点(障害なし)~100点(最重症)である。質問票は,日本整形外科学会の ウェブサイト5)からダウンロードして使用可能である。

    【ロコモ度テストの臨床判断値】6)

    前述の3テストの結果をもとにしたロコモ度の判定をに示す。

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