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意識障害(せん妄含む)

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-28
新森加奈子 (北里大学医学部総合診療医学・地域総合医療学)
木村琢磨 (北里大学医学部総合診療医学・地域総合医療学准教授)
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  • ■治療の考え方

    バイタルサインの異常がある場合や,発症様式が突発性である場合に緊急性があり得るのは,医療機関においてと同様である。その上で在宅医療では,患者や家族の意向,患者の普段の様子をよく知る家族や多(他)職種からの情報をふまえ,病院搬送などの意思決定を行う。

    ■状態の把握・アセスメント

    まず,バイタルサインを確認する。検査が迅速に行えない在宅医療では,普段のバイタルサインとの比較が特に重要である。バイタルサインに異常があれば一定以上の重症度と考え,病院搬送について患者背景をふまえ検討する。

    在宅医療における意識障害(意識清明度の低下)では,脳血管障害のみならず,急性感染症を必ず鑑別に入れる。急性感染症のうち肺炎と尿路感染症は頻度が高いが,身体所見に乏しいこともある。急性感染症は抗菌薬使用の迅速かつ適切な対応で治癒可能であるため見逃さないようにする。

    在宅療養中の患者は随伴症状,特に発熱や食欲低下・脱水がある場合,容易に意識障害を呈するため,随伴症状をふまえた鑑別を行う。

    せん妄に代表される意識の質的な変化(意識の変容)の頻度は,入院患者に比べて在宅医療では高いとは言えないが,終末期患者においては死前せん妄をしばしば経験する。

    在宅療養中の患者は,意識障害と考えられても,「もともと意識に波がある」「寝ているだけ」などの場合もあり得るので,患者の普段の様子をよく知っている家族や多(他)職種からの情報を重視する。

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