地域医療を守る病院協議会は14日の会見で、医師の働き方改革について、政府に要望書を提出する方針を明らかにした。
厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」では今年度中にも最終報告をまとめるとしており、同協議会はこれに間に合う形で提出する。
要望書は、労働時間についてだけでなく、医師偏在や将来人口を踏まえつつ、専門医制度のあり方を含め、医療の提供全体にかかわる問題としてまとめる予定。
全国自治体病院協議会の邉見公雄会長は、「人口10万人以下の地域ではほかに医療機関がないため、診療制限をした場合、地域住民の健康が脅かされる恐れがある」との懸念を示し、「医師の働き方改革は、地域医療や医師の偏在対策等を含めて考えなくてはいけない」と強調した。
同日の理事会では、医師養成数の不足についても議論。会見で日本慢性期医療協会の武久洋三会長は「50年前に比べ、医師数は5倍以上になったが、高齢化率は5%から30%に増加している。医療の細分化・高度化も考慮すると医師はまだまだ足りない」と問題視した。さらに、「ある程度、過疎地にも使命として行き、行った人にはメリットがあるという仕組みを国が整備しなければ、過疎地の医師不足は解消されない」との見解を示した。