厚生労働省のデータヘルス改革推進本部(本部長=加藤勝信厚労相)が7月30日に開かれた。同日の会合では、診療現場等での情報連携やデータベースの情報連結・管理を可能にするサービスについて、工程表などが示された。このうち、複数の医療機関で患者情報を共有する「保健医療記録共有」は、20年度に運用を開始する方針。個人を識別する識別子には、個人単位化した被保険者番号を活用するとしている。
現行の被保険者番号は原則、世帯単位で割り振られており、加入する保険者が変わると資格や健診等の履歴情報が引き継げないため、個人を識別する識別子の必要性が指摘されていた。
厚労省の「医療等分野情報連携基盤検討会」では、識別子に個人単位化した被保険者番号を用いれば、既存の情報インフラやシステムを使用でき、新たに識別子を発行するより医療機関等のコスト負担が少なく、実現可能性が高いと判断された。
厚労省は今後、個人単位化した被保険者番号を用いて保健医療記録共有やビッグデータの連結の際のID、資格情報・特定健診情報の個人単位での一元的集約を推進する方針。
保健医療記録共有では、複数の医療機関・薬局で患者の診療情報・服薬情報を共有することで、無駄な検査や投薬を減らすとしている。
厚労省の想定では、2020年度より、準備ができた保険者から被保険者番号を個人単位に切り替える。保健医療記録共有サービスの運用も20年度にスタートさせる。20年度以降は、診療情報や服薬情報に加え、介護情報などさらに幅広い情報の共有を可能にする方針。