厚生労働省は5月22日の診療報酬調査専門組織の入院・外来医療等の調査・評価分科会に2024年度診療報酬改定に関する影響検証調査の速報を報告した。回答施設におけるオンライン診療の届出率は約2割で、届出意向のない施設の4割強は導入・運用コストが高いと感じていることが分かった。
調査回答施設について情報通信機器を用いた初診料等の施設基準の届出状況をみると、届出ありは22.3%、届出なし・今後届出の意向ありは11.9%、届出なし・今後の届出意向もなしは65.7%。届出意向のない施設の理由で多く挙がったのは、「患者のニーズがない・少ないため」(55.7%)、「システム導入・運用コストが高い」(47.5%)、「メリットが手間やコストに見合わない」(45.0%)などだった。
オンライン診療のコストも調査した。それによると、導入時の初期費用は平均77万9887円(中央値27万5000円)、月額維持費用は平均2万2216円(同1万円)。回答施設の約29%はシステム利用に当たって患者から費用を徴収しており、患者1人当たりの平均徴収額は891.3円(同600円)だった。
24年度診療報酬改定では「生活習慣病管理料」の算定要件に患者の求めに応じた療養計画書の交付が追加される見直しが行われた。
患者調査(外来患者および一般市民)回答者のうち、生活習慣病で定期通院し、療養計画書の交付を受けたことがある人に対する交付を受けたことによる変化についての質問では、外来患者は「継続的に通院し治療を受ける必要性についての理解が深まった」「食事、運動、休養などの総合的な治療管理についての理解が深まった」との回答が多く、いずれも6割を超えた。一般市民で多かったのは、「特に変化はない」「継続的に通院し治療を受ける必要性についての理解が深まった」などだった。
定期的な受診を続ける上で医療機関の体制や機能として必要と思うことでは、外来患者、一般市民とも最も多かったのが、「予約診療を行っていること」。次いで「28日以上の長期処方に対応していること」「複数の職種の医療スタッフとの連携によって治療管理が行われていること」「休日に診療ができる体制が整備されていること」などだった。