ある日、私が担当していた乾癬の専門外来に、1人の男性が紹介されてきました。前医で紫外線療法を中心に治療されていましたが、皮膚癌を生じたため中止せざるをえず、他の治療を求めて大学病院へ来られたのです。幸いなことに皮膚癌は完全切除されていたので、生物学的製剤を使えないかスクリーニング検査を進めることにしました。検査結果が揃うまでに少しでも皮膚症状を改善できないかと考えた私は、外用薬の変更を提案しました。
「○○○(活性型ビタミンD3外用薬)か……以前使っていたけど、これ塗ると犬が調子悪くなるんだよね」「え?犬が何ですって?」「これ使っていたら飼い犬が死んじゃってさあ。もう使いたくないんですよ」
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