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■NEWS 推計患者数は入院121.1万人、外来713.5万人─20年患者調査

No.5125 (2022年07月16日発行) P.70

登録日: 2022-07-07

最終更新日: 2022-07-07

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厚生労働省は6月30日、「令和2年(2020)患者調査(確定数)の概況」を公表した。推計患者数は、入院が121万1300人となり、17年の前回調査と比べて約10万人減少。外来はほぼ横ばいの713万7500人となった。なお、20年調査はコロナ禍で実施されたことに加え、入退院日の誤記入の補正や総患者数の推計方法の見直しが行われているため、結果の解釈や活用には留意が必要。

推計患者の年次推移をみると、入院は08年から減少傾向にあり、外来は11年以降ほぼ横ばいの状態が続いている。年齢階級別の分析で、入院はすべての年齢階級で前回調査時から推計患者数が減少。外来はいずれの年齢階級とも11年から横ばいで推移している。

入院の傷病分類別分析では「精神及び行動の障害」(23万6600人)の推計患者数が最も多く、これに「循環器系の疾患」(19万8200人)、「損傷、中毒及びその他の外因の影響」(13万4500人)などが続く。外来は、「消化器系の疾患」(127万800人)、「健康状態に影響を及ぼす要因及び保健サービスの利用」(100万1300人)、「筋骨格系及び結合組織の疾患」(90万6000人)などが上位となった。

■在宅医療を受けた患者、コロナの影響で12年ぶりに減少

調査日に在宅医療を受けた推計外来患者数は17万3600人。08年以降は右肩上がりでの増加が続いていたが、20年は新型コロナウイルスの感染が拡大した影響で減少に転じた。 在宅医療の種類別内訳は、「往診」5万2700人、「訪問診療」10万5700人、「医師・歯科医師以外の訪問」1万5200人となっている。

入院推計患者の重症度等では、「生命の危険がある」(構成比5.6%)、「生命の危険は少ないが入院治療を要する」(76.7%)など、入院治療を必要とする患者が全体の8割を占めた。「受け入れ条件が整えば退院が可能」に該当した患者は11.6%。その割合は年齢の上昇に比例して高くなり、65歳以上では12.1%、75歳以上の後期高齢者では12.4%に及ぶ。

全国の人口10万対の受療率は、入院960、外来5658となった。年齢階級別の受療率は入院・外来とも65歳以上が最も高いが、経年でみた場合は低下傾向にある。都道府県別の受療率が最も高かったのは入院が「高知県」の1897、外来は「香川県」の6729。入院で最も低率だったのは「神奈川県」の654、外来は「沖縄県」の4393だった。

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