厚生労働省は8月10日の中央社会保険医療協議会総会に、オンライン資格確認等システム導入施設に対する補助内容の見直しを報告した。導入コストが事業額の上限を超える施設が過半数以上であった病院は、補助額を倍増。診療所は実費補助に改める。
国は2021年4月から「医療情報化支援基金」による導入支援を進めてきたが、22年6月に医療機関・薬局へのオンライン資格確認等システム導入の原則義務化を明記した「骨太方針2022」が閣議決定されたことをふまえ、補助内容の充実を図ることにした。
見直し後の助成の対象になるのは、閣議決定が行われた22年6月7日から同年12月末までに顔認証付きカードリーダーを申し込み、かつ23年2月末までにシステム事業者との契約を締結した医療機関・薬局。ただし、実際に補助を受けるためには従来と同様、23年3月末までに事業を完了し、同年6月末までに交付申請を行う必要がある。
病院の補助上限額は顔認証付きカードリーダーの導入台数に応じて、▶1台/210.1万円(従前105万円)、▶2台/200.2万円(100.1万円)、▶3台/190.3万円(95.1万円)―と、いずれも従来の倍額に引き上げる。診療所はこれまで、事業額(42.9万円)の3/4に相当する32.1万円を上限に補助が行われてきたが、見直し後は事業額を上限とした実費補助に変更する。
閣議決定前の22年6月6日までにカードリーダーの申し込みを済ませていた施設を対象にした措置も別途設ける。具体的には、22年6月7日から23年1月末までに運用を開始した施設に、従前の補助額と見直し後の補助額の差額を交付し、システムの迅速な運用を促す(補助金交付済みの施設は対象外)。