著: | 工藤弘志(元厚生労働省近畿厚生局指導医療官/特定医療法人社団順心会) |
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判型: | A5判 |
頁数: | 148頁 |
装丁: | 2色刷 |
発行日: | 2015年10月27日 |
ISBN: | 978-4-7849-4505-4 |
版数: | 第1版 |
付録: | - |
◆ ブラックボックスだらけの保険診療がクリアになる! 元指導医療官による保険医・開業医のための〈やさしい〉保険診療講座
◆ 「診療内容・診療報酬請求に問題がなければ、個別指導に危惧の念を抱く必要はありません」(「おわりに」より)。指導・監査する側を経験したドクターが、現場に寄り添って押さえるべきポイントを教えます
◆ 保険診療の仕組みや指導・監査の実際の流れについてもわかりやすく解説
◆ 「指導・監査」に対して過度な不安を抱くことなく、地域医療に長く安心して従事していくための良きパートナーとしてぜひご活用ください
診療科: | 医政・医療 | 診療報酬・社会保障・税制 |
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社会医学 | 医事法制 |
STEP 1 保険診療と日常診療の間のギャップを埋めよう
1-1 わが国の医療保険の仕組み
1-2 わが国の医療保険の歴史
1-3 保険診療とは何か
STEP 2 指導・監査はこんなふうに行われている
2-1 指導・監査と指導医療官
2-2 指導・監査等(1)─適時調査
2-3 指導・監査等(2)─指導
2-4 指導・監査等(3)─監査
STEP 3 ココを押さえれば大丈夫! 保険診療チェックポイント
3-1 基本診療料
3-2 禁止事項
3-3 薬剤
3-4 診療録
3-5 医学管理等
3-6 在宅医療
3-7 検査
3-8 画像診断
3-9 リハビリテーション
3-10 精神科専門療法
3-11 処置
3-12 手術
3-13 麻酔
3-14 施術
STEP 4 指導・監査─最近の傾向はこうなっている
はじめに──「日常診療=保険診療」のはずなのに…
30年余り脳神経外科医として臨床に携わってきた私は、出身大学である神戸大学の医学部脳神経外科教室教授および医学部附属病院長のご推挙により、2010 年1 月から2013 年12 月末までの4 年間、厚生労働省近畿厚生局の指導医療官として働きました。
この間、およそ400 件の個別指導および十数件の監査を行いました。これらの行政指導において、数多くの保険医療機関の管理者や保険医と接しました。その経験を通して痛感したことは、本来ならば、保険医療機関あるいは保険医であれば「日常診療=保険診療」のはずなのに、時にイコールとはならず、日常の診療を行っている医療関係者の保険診療に対する認識と、現在定められている保険診療上のルールとの間にギャップが存在している、ということでした。この状況は診療報酬を支払う側にとっても、また、受け取る側にとっても、決して好ましいことではありません。なんとか両者間のギャップを埋められないかと模索したことが執筆の動機です。
保険診療に関わる多くの方々に、保険診療というものをさらに深く理解していただいて、理解不足によると思われる不適切な保険診療や診療報酬請求をより少なくしていただきたい、というのがこの本の趣旨です。
本書では可能な限り、元指導医療官としての私の知識と経験を披露し、現場の医療関係者の皆さんに正しい保険診療を実践してもらうためのチェックポイントを示しました。
末尾に参考文献を挙げていますが、本書の内容は私個人の考えです。したがいまして、その全責任は私にあります。なお、厚生労働省、厚生局関係の文献はすべてインターネットで検索可能です。