自民党の「死因究明体制推進に関するプロジェクトチーム(PT)」(座長=橋本岳衆院議員)は9日、犯罪や虐待による死亡(異状死)の見逃し防止体制の推進について定めた「死因究明等推進法」が9月に失効することを踏まえ、後継となる法案の要綱をまとめた。今国会に提出し、成立を目指す。
死因究明等推進法により設置された内閣府の「死因究明等推進計画検討会」が4月にとりまとめた最終報告書では、「検案医の技術向上に向けた研修制度の創設」「CTを用いた画像診断(Ai)の普及」「死因究明体制推進に向けた都道府県協議会の設置」などの施策が提言されている。政府は報告書に基づき「死因究明等推進計画」を6月に閣議決定する予定だ。
後継法案は、「推進計画」の有効期限を恒久化するもの。施策の実行体制強化を図るため、政府内に「死因究明推進本部」を設置。施策の実施状況を毎年国会へ報告するよう義務づけることで、政府にシンクタンクの機能を持たせる。
なお、PTでは診療関連死における死因究明のあり方についての結論は見送った。医療事故調査制度の創設を盛り込んだ医療・介護総合確保推進法案が国会審議中であることから、今後、事故調制度との関係性を整理するとしている。