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へき地医療計画は医療計画に統合へ - 厚労省として統一的な対策のあり方示す [へき地保健医療対策検討会]

No.4712 (2014年08月16日発行) P.9

登録日: 2014-08-16

最終更新日: 2016-11-17

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【概要】厚生労働省は8日、次回医療計画改正時にへき地保健医療計画と医療計画を統合する案を検討会に示し、その方向が了承された。


へき地保健医療計画は、1956年から概ね5年ごとに策定し、第10次計画からは厚労省が示した指針を基に、都道府県が計画を策定、施策を実施している。これに伴い、1966年に2920(人口119万人)あった無医地区は2009年には705(同14万人)まで大きく減少した。現在は第11次計画(2011~15年度)の実施期間中(主要事項は別掲の通り)。
また、第5次医療法改正により、都道府県は医療計画にもへき地の医療連携体制に関する計画を盛り込んでいる。
へき地保健医療計画と医療計画は、共にへき地医療対策に関する計画であるにもかかわらず、それぞれの改正時期がずれているため、厚労省として統一的な対策のあり方を示すことができていない。また、都道府県も両計画を別の時期に作成する必要があり、整合性を図るのが困難という状況があった。

●18年度から新計画をスタート
厚労省は、8日に開いた第1回へき地保健医療対策検討会(座長=梶井英治自治医大教授)に、次回の医療計画改正時(第7次医療計画)に、へき地保健医療計画と医療計画を統合する案を提示。より効率的で、医療を受ける側の国民にとっても理解しやすい計画とする方向を示し、了承された。16~17年度は移行への準備期間とし、18年度から新たな統合計画をスタートさせたい考えだ。
検討会は今年度中にあと2~3回開催。今後のへき地保健医療計画策定に資することを目的に、無医地区等の実態調査の結果を基に対策の検討を行う。

【記者の眼】検討会で釜萢敏委員(日医)は医師の診療科偏在の問題に触れ、そうした科の医師を積極的に養成する工夫の必要性を指摘。二川一男医政局長もへき地対策に関連する動きとして総合診療医の創設を挙げており、医師不足・偏在是正への効果が期待される。(A)

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