改正医療法に盛り込まれた地域医療構想策定に向けて、厚生労働省は18日に「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」(座長=遠藤久夫学習院大経済学部長)の初会合を開いた。
地域医療構想は、高齢化による医療需要の増大を見据え、医療機能の分化・連携を進めて医療資源を適切に配分するために策定されるもの。都道府県は団塊世代が75歳を迎える2025年に目指すべき医療提供体制を2015年度に策定し、医療計画に反映する。構想は、今後厚労省が省令で定める「地域医療構想区域」ごとに作成。そのため検討会では、構想策定のためのガイドラインや構想区域の基準などについて議論する。
18日の会合で厚労省は、将来の医療提供体制を検討する際の視点として、(1)病床の機能分化・連携、(2)地域包括ケアシステム、(3)医療と介護サービスの一体的提供、(4)医療人材の確保、(5)地域ごとの人口動態や医療・介護資源、(6)医療機関に関する国民への情報提供―の6つの視点を提示。これに対し委員からは「地域包括ケアで中心的役割を担う診療所の後方支援病院を増やすことが重要」(石田光広委員・稲城市福祉部長)などの意見が出された。
検討会では来年1月に議論を取りまとめる予定。