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■NEWS 医師偏在是正総合対策パッケージの骨子案など提示―厚労省近未来戦略

No.5239 (2024年09月21日発行) P.70

登録日: 2024-09-06

最終更新日: 2024-09-06

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厚生労働省は830日、近未来の政策方針をまとめた「近未来健康活躍社会戦略」を公表した。医師偏在是正の総合的な対策パッケージの骨子案や医療・介護DXのさらなる推進、後発医薬品の安定供給体制の構築などを国内の主要戦略に掲げた。

戦略目標に、①医療・介護産業の育成、②医療・介護全体としての収入拡大とその成果の国民への還元、③国民1人ひとりが可能な限り長く健康で有意義な生活を送りながら活躍できる「健康活躍社会」の実現―を据え、その達成に向けた国際および国内戦略を書き込んだ。

国内戦略は、(1)医療・介護DXのさらなる推進、(2)提供体制の改革、(3)後発医薬品の安定供給体制の構築、(4)イノベーションを健康づくり・治療に活かす環境整備―などで構成される。

このうち(1)では医療分野のイノベーションを促進し、その成果を国民に還元する環境の整備を目指す。具体策では、①全国医療情報プラットフォームの構築等(電子カルテ情報共有サービスや電子処方箋の普及、診療報酬改定DXなど)、②医療等情報の二次利用の推進(医療・介護等の公的データベースの利用促進など)、③医療DXの実施主体の改組(社会保険診療報酬支払基金の「医療DX推進機構(仮称)」への抜本的改組など)―などの取り組みを実効的かつ一体的に推進。関係法令の整備も行う。

■医師確保計画の深化、医師の確保・育成と実効的な配置が柱―対策骨子案

2)では少子高齢化が進展する中、持続可能な医療提供体制の構築に向け、地域間・診療科間の医師偏在の是正を総合的に推進する。医師の偏在是正については、「骨太の方針2024」が24年末までの総合的な対策パッケージの策定を打ち出している。

これを受け戦略は、①医師確保計画の深化、②医師の確保・育成、③実効的な医師配置―を柱とする骨子案を提示。24年度には、①都道府県における医師配置の是正プランの策定と、国による重点支援対象区域の選定、②医師少数区域等での勤務経験を求める管理者要件の大幅な拡大(必要に応じて25年度以降に法改正を実施)、③中堅以降医師が総合的な診療能力等を習得するためのリカレント教育について予算要求(25年度予算概算要求で対応済み)、④医師多数県の臨時定員地域枠の医師少数県への振替の検討―などに取り組む方針を示した。

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