日本医師会と全国医学部長病院長会議は2日に会見を開き、医師の地域間・診療科間の偏在解消に向けた緊急提言を発表した。
8月に発表された提言の骨子を基にまとめられたもの。①医師の異動を生涯にわたり把握する「医師キャリア支援センター(仮称)」の大学内への設置、②病院・診療所の管理者要件への医師不足地域での勤務経験の導入─などが柱。
(1)では、すべての医学生が医師キャリア支援センターに登録し、臨床研修を原則、出身大学の地域(関連病院のある範囲を含む)で行う。研修医の需給が均衡しない地域については、医師キャリア支援センターの連絡協議会が調整を支援する。
(2)の「医師不足地域」は、へき地等に限定せず、医師の地域・診療科偏在の実態を踏まえて、その時々で判断する。
日医の横倉義武会長は、「国立病院機構などは、医師キャリア支援センターが医局の復権につながると危惧している」とした上で、「医療界全体で合意を得るには詰めの議論が必要だ」と述べた。