今回は大学連携型の施設を紹介します。
ここは約400人が暮らすCCRCで、非営利団体(NPO)が運営しています。1955年に南カリフォルニアの広大な自然保護区とカリフォルニア大学アーバイン校に隣接してつくられました。ほとんどの入居者はこの施設の周辺に住んでいた人々で、アーバイン校の元教員も多く入居しています。他州からきた人の多くも、子どもがこの施設の近くに住んでいるとのことです。アーバイン校のプログラムを聴講できることがここの魅力のひとつです。
「親は子どもの重荷になりたくないと思い、子どもも親に何か起きたときにどうしたらよいかを考えなくてすむため、本人と家族の双方によい」と、案内してくれた職員が説明していました。
なお、予想を超えて長生きしたり、子どもが投資に失敗したりして月額利用料を支払えなくなっても、ヒルクレストと同じように退所しなくてよい制度があります。
入居者の98%がここで亡くなります(1/3がインディペンデント・リビング、2/3がナーシング・ホーム)。私たちが訪れた前の月(2015年8月)は亡くなった人が6人と多く、その内訳はインディペンデント・リビングで2人、ナーシング・ホームで4人でした。そのうちの1人は76歳でインディペンデント・リビングに入居し、認知症もなく1人で食事をしていましたが、104歳でインディペンデント・リビングで生涯を閉じました。
1日1回の食事は月額利用料に含まれています。アルコールも提供されます。2週間に1回、医師が訪問診療にきますが、ほかの医師の診察を希望する場合は、10マイル以内ならば送迎は無料です。マシントレーニングによる介護予防が盛んで、ある高齢の男性は、毎日2時間フィットネスセンターで運動していました。入居者は緊急コール用のペンダントやブレスレットを身につけています。追加料金を払えば薬の管理も頼むことができ、自己負担で看護助手を雇うこともできます(1時間21~28ドル)。
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