厚生労働省のがん対策推進協議会(門田守人会長)は2日、「第3期がん対策推進基本計画」(2017~22年度)の案を大筋で了承した。計画案は「がん予防」「がん医療の充実」「がんとの共生」の3つを柱に据える。パブリックコメントなどを経て7月にも閣議決定される見通し。
第3期計画案では、市町村が対策型検診として実施しているがん検診の受診率について、現状では30~40%台にとどまっているところを、男女とも全てのがん種で受診率50%を目指す。併せて、現状では65~85%となっている精密検査受診率の目標値を90%とする。
患者個人の遺伝情報を基に治療の最適化を行う「がんゲノム医療」については、実現に向けて、2年以内に拠点病院等の見直しに着手。全国でがんゲノム医療を受けられる体制を段階的に構築するとした。
治療法に関しては、免疫療法の記述が大幅に拡充。免疫チェックポイント阻害剤の登場で、「免疫療法が有力な治療選択肢の1つとなっている」とする一方で、十分な科学的根拠のある治療とそうでない治療が混在している現状に言及。その上で、指針等に基づく治療が提供されるよう、国が適切な使用を推進するとともに、免疫療法に関する患者・国民向けの情報提供のあり方を関係学会と連携して検討すべきとした。
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