消防庁の「救急業務のあり方に関する検討会」は6日、救急医らが搬送受け入れの調整などを行う都道府県のメディカルコントロール(MC)協議会の役割拡充を求める報告書案を了承した。
その中では、救急需要の増大から搬送時間が「年々延伸化している」と指摘。一方、複数の自治体では、搬送困難事例における医療機関の選定や受け入れの基準をMC協議会が策定・運用することで、搬送時間の短縮や三次救急への集中緩和が見られることから、MC協議会の役割を拡大するよう求めている。
また、消防庁は同日の検討会で、救急救命士の新たな教育制度案を提示した。救急救命士が医師の指示の下で行える医行為(特定行為)に、4月から「心肺停止前の静脈路確保・輸液」と「低血糖発作へのブドウ糖溶液投与」が加わることを踏まえたもの。
豊富な医学的知識と現場経験を持ち、救急医との連携能力の高い救急救命士で、消防庁の指定した機関の教育を受けた者をMC協議会が「指導救命士」に認定し、若手の指導に当たらせる。
同検討会はこれを了承。消防庁は養成制度を15年度から開始する方針だ。