日本医師会の釜萢敏常任理事は24日の定例会見で、日医内に「情報通信機器を用いた診療に関する検討委員会」を設置したことを明らかにした。対面診療の原則に基づくとした日医の考えをまとめ、厚生労働省が近く策定する遠隔診療に関するガイドラインに反映させたいとしている。
釜萢氏は遠隔診療の現状について、「大々的にビジネス化されるような状態」と問題視し、「放置すれば、無診察診療を禁じた医師法だけでなく、医療の非営利原則にも影響が出てくる恐れがある」と指摘。対面診療の補完として遠隔診療があること、それらを適切に組み合わせて実施する大前提を今後も堅持する姿勢を強調した。その上で、「保健医療福祉分野の公開鍵基盤であるHPKI、すなわち(日医が発行する)医師資格証を遠隔診療の条件とすることを目指したい」と話した。
検討委員会は、日医や地域医師会幹部、遠隔診療の有識者で構成。対面診療と遠隔診療の組み合わせ方や医療安全の担保の仕方などについて今年度中にも提言をまとめ、厚労省が近く策定するガイドラインに反映させたいとしている。