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心と感謝を込めて[プラタナス]

No.4906 (2018年05月05日発行) P.3

飯塚陽子 (東京大学医学部附属病院糖尿病・代謝内科特任講師)

登録日: 2018-05-07

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  • 医療の国際化の一環として、日本の医療サービスの輸出を目指し、経済産業省の採択事業として、日本の医師・看護師・栄養士・薬剤師等の医療チームが中国の病院に入り、実際に日本式糖尿病外来診療を行い、様々な医療サービスの有用性を調査してきました。私は2011年度に上海で5回の日本式糖尿病外来診療を行い、この手紙は、5回の外来を通して受診された80歳の中国の糖尿病患者から、最後の外来受診の際に渡された感謝状です。感謝状の最後に「中日人民友好万歳」と記されており、私達も大変励まされ、大変感激を受けました。

    上海の糖尿病患者においては、この方のように、初診時に肥満が35%、20歳時に肥満が1割、過去に肥満が7割以上であり、食行動に異常のある方が6割で、栄養指導を含め糖尿病に関する教育指導を受けたことのない方が6割以上でした。インスリン分泌促進薬が中心の治療が主体で、半数以上の方が血糖コントロール不良でした。

    中国の糖尿病患者は日本の患者と同様に、学ぶ意欲が強くてモチベーションの高い方が多く、必要な医療サービスを提供し、医療チームが介入したところ、糖尿病に対する認識・食習慣・運動習慣等が向上しました。その結果、体重・血糖値・HbA1c・血圧・尿中微量アルブミン・脂質等、調査したすべての項目において明らかに改善が認められ、しかも、受診回数の多い方ほど、改善効果がより顕著という持続可能な有効性が確認できました。

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