5:消化管-2【虚血性大腸炎】
60歳代,男性。腹痛,下痢,血便。高血圧,糖尿病治療中。
■体位・走査法
下行結腸の縦断走査。
■画像所見(図1)
▶直腸を除く左半結腸を中心に連続性びまん性の壁肥厚。
▶粘膜下層の著明な浮腫と低エコー化により,層構造は一見不明瞭。
■判読のポイント
▶低周波プローブでは層構造の不明瞭化や消失,高周波では粘膜下層の著明な浮腫(図2)。
▶直腸を除く左半結腸に好発。
■鑑別診断
病変を肛門側まで観察して癌性狭窄に伴う閉塞性腸炎を見逃さないようにする。
■正常画像との比較
正常な下行結腸では壁肥厚は認められない(図3)。
眞部紀明(川崎医科大学検査診断学教授)