筆者が日本医事新報という雑誌に出会ったのは大学卒業後のことで,医師国家試験の自己採点のために購入したことを記憶している。その際に,幅広く有用な記事が本誌に網羅されていることを知り,インターネットもない状況下で最新情報の収集のための必読書となった。このように歴史と伝統のある本誌に連載することなど夢にも思っていなかったが,このたび消化管という超音波では特殊な領域における連載の機会を頂き,無事連載を終了することができた。素晴らしい原稿を執筆して頂いた方々,多大なご尽力を頂いた日本医事新報社の木村宗平氏,そして何より本コラムをお読み頂いた読者諸兄に紙面をお借りして厚くお礼申し上げる次第である。超音波はその高いポテンシャルにもかかわらずかなり過小評価されているが,今後,本連載をきっかけに消化管や急性腹症の診断に超音波を使ってみようという機運が生まれるとすれば,まさに望外の幸せである。