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HIV感染症

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-06-19
鯉渕智彦 (東京大学医科学研究所附属病院感染免疫内科講師)
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  • ■疾患メモ

    感染症法に基づく5類感染症に指定され,診断したら7日以内に届け出なければならない。

    近年の国内報告数は約1500件/年である。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    感染後数週間以内に発熱や発疹,リンパ節腫脹などの非特異的症状を呈するが,急性期症状が出現しない場合も多い。急性期症状は無治療で軽快し,その後の数年間は症状のない無症候期に入る。無症候期の間もHIVの標的細胞であるCD4陽性Tリンパ球(CD4)は徐々に減少する。CD4数がおおむね200~300/μL以下となった場合に日和見感染症を発症することが多い。23種類のAIDS指標疾患があり,その中のいずれかを発症すれば後天性免疫不全症候群(acquired immunodeficiency syndrome:AIDS)となる。

    【検査所見】

    スクリーニング検査として,HIVの抗原・抗体を同時に測定する方法が一般的である。しかし,スクリーニング検査には疑陽性が0.1~0.3%程度生じるため,陽性であっても感染の確定ではない。確定のためにはWestern-Blot(WB)法や逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(reverse transcription polymerase:RT-PCR)法があり,可能な限りどちらも行うことが望ましい。

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