本critical question(CQ)は,近年基本的に増加の一途をたどっている外国出生者での結核を念頭に設定したものである。アジア地域では,日本を除く各国で一般的に結核の罹患率が高く,同時に主要抗結核薬に対する耐性菌も高頻度に存在する。
結核療法研究協議会による2019年の報告では,日本出生者と外国出生者では耐性率に有意な差があることが示されている1)。従来,結核の初回治療はempiricで大きな問題はなかったが,現状,日本においても結核治療開始時に薬剤感受性を既知とする必要があるのか,という点を問題としてCQを設定した。
観察研究およびシステマティックレビューの結論としては『Xpert MTB/RIF「セフィエド」は臨床状況(対象患者の事前確率,リファンピシン耐性を検出した場合の診療体制,意思決定に携わる専門家の有無,感染管理の必要性など)によってはルーチンに使用しうる(エビデンスの確実性D)』となっている。
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