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カルバペネム耐性腸内細菌目細菌感染症[私の治療]

No.5277 (2025年06月14日発行) P.43

宮良高維 (神戸大学医学部附属病院感染制御部教授)

登録日: 2025-06-12

最終更新日: 2025-06-10

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  • カルバペネム耐性腸内細菌目細菌(carbapenem-resistant Enterobacterales:CRE)は,カルバペネム系抗菌薬を含む広域β-ラクタム薬に耐性を示す。耐性機序がカルバペネマーゼ産生による場合はCPE(carbapenemase-producing Enterobacterales)と称される。CPE以外のCREは,その他のβ-ラクタマーゼの産生の増加とペリプラスム内への薬剤到達門戸となるポーリンの変化,排出ポンプの変化が耐性機序となる。
    CREの保菌のみではなく感染症を発症している場合は,感染症法による5類全数把握対象疾患として7日以内に届け出なければならない。2019~2021年のわが国における届出報告数は2000例前後で,分離菌種はKlebsiella aerogenes(39%),Enterobacter cloacae (25%),K. pneumoniae(10%),Escherichia coli (6%)の順とされている。

    ▶診断のポイント

    わが国のCRE判定基準は薬剤感受性により,①メロペネムの最小発育阻止濃度(MIC)≧2μg/mL,または②イミペネムのMIC≧2μg/mLかつセフメタゾールのMIC≧64μg/mLにも該当する場合と定義されている。

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