結核の標準治療は,2カ月のイソニコチン酸ヒドラジド(INH), リファンピシン(RFP), エタンブトール(EB), ピラジナミド(PZA)の後,4カ月のINH,RFPの6カ月治療,もしくはPZAを含まない9カ月治療であるが1),80歳以上ではPZAが用いられないことが多かった。
それは,国の結核診療の指針である結核医療の基準により,1996年にPZAを含む治療が標準治療になり,含まない3剤治療と並んで用いられるようになった時点で,80歳以上では肝障害を起こした場合のダメージが大きかったためである。結核医療の基準自体には,PZAを含む治療と含まない治療をどういう場合に用いるかについての記載はされていなかった。
残り769文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する