著: | 永田理希(希惺会 ながたクリニック院長/感染症倶楽部シリーズ統括代表) |
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判型: | B5判 |
頁数: | 370頁 |
装丁: | 2色刷 |
発行日: | 2021年03月05日 |
ISBN: | 978-4-7849-6291-4 |
版数: | 1 |
付録: | - |
Chapter1 根拠を持って,戦略(strategy)を決めよう!
1 風邪の治療ってどうしてる?
2「風邪に抗菌薬は予防効果あり」という論文あります!
3 小児と成人の風邪の考え方は違う?─ 今,occult bacteremia(潜在性菌血症)をどう考えるか
4 風邪症候群って,なあに?
5 風邪症候群のPhaseを知るべし!
6 感度&特異度&尤度比&検査前後確率&的中率
Chapter2 風邪薬(対症療法薬)の使い方について語ろう!
1 鼻炎症状改善目的
2 咳症状改善目的
3 発熱/咽頭痛症状改善目的
4 総合感冒薬&サプリメント
Chapter3 炎症反応の使い方・解釈について語ろう!
1 炎症反応検査(採血)(CRP・WBC・PCT)のミカタ
Chapter4 「診る」ために「診る!聴く!」
1 耳のミカタ─ 耳鏡を使いこなそう!
2 鼻のミカタ─ 鼻鏡を使いこなそう!
3 喉のミカタ─ 舌圧子を使いこなそう!
4 肺のミカタ─ 聴診器を使いこなそう!
Chapter5 根拠を持って,薬&ワクチン&キット(迅速検査)を使いこなそう!
1 インフルエンザのミカタ
Chapter6 風邪のPhaseを見極め,【カゼ漢方薬30+1】を使いわけよう!
1 風邪症状改善目的
Chapter Appendix(付録)
1 COVID-19のミカタ
2 抗菌薬/漢方薬の臨床適正処方用法・用量・小児体重換算表
3 リーフレット・動画QRコード
新型コロナウイルス感染症(COID-19)が2020年になり全世界にパンデミックを起こしました。それにより,風邪診療に対する医師のスキルが,より浮き彫りになってきています。日本の一般外来診療で一番多い感染症は,風邪(症候群)です。そして,外来感染症の中で一番多くの薬が処方されているのも風邪であるのが,今の日本の風邪診療のリアルです。
2000年代に入り,医療の臨床現場にもエビデンスという概念が出現しました。そして,時代が昭和から平成,令和と移り変わるにつれ,これまでの慣習的な治療や薬の効果,検査の意義などが見直されるようになりました。本来,ただの風邪であれば医療機関に受診する必要などなく,風邪薬がなくとも約1週間程度で自然治癒します。
風邪症状で患者さんが受診すると,医師は風邪を含めたその周囲の風邪以外の疾患を見極めるために,まずは詳細な問診と身体所見をとり,その結果から,本当に必要な検査を実施します。もちろん不要と判断した場合は安易な検査実施はしません。さらにその結果を見極め,総合的に診断を行い,効果が期待できる薬や処置を選択します。そして,自分の見立てや薬・処置に対して,患者さんにわかりやすく言語化し,どういう経過となれば問題なく,どういう経過となれば再診を要するか,症状に対してどのようなセルフケアをすればよいかを丁寧に説明します。この【説明処方箋:0円】を処方するまでが,本来の風邪診療となります。我々医師は,医療のプロ(職人)です。「患者さんが希望するから……」ではなく,その診断/検査/処方/説明に至るまでこだわりと責任を持って対応することが必須であり,その対価に医療費の中から医療報酬を頂いているという自覚を持つべきだと思います。
風邪を診るためには,実は非常に幅広い知識が必要となります。しかし,風邪外来診療は,客観的評価がされにくく,ブラックボックスといえます。臨床現場感ももちろん重要ですので,エビデンス至上主義になる必要性はありませんが,日ごろから知識を更新しつつ,基本の型である問診/視診/触診/聴診のスキルなしに風邪診療はできません。ところが,日本では, 風邪診療に必要な知識/スキルを学ぶ場や教育がほとんどされていないのが現状です。筆者が「感染症予備校」として2006年から毎年開催している【感染症倶楽部シリーズ】の中でも特に重要視してきた風邪レクチャーを,多くの乳幼児から超高齢者までの風邪を日々診ている町医者目線で書籍に仕上げました。
withコロナ時代である今だからこそ, 個々の風邪診療をブラッシュアップするときです。学びに肩書きや年齢など境界はありません。No Borderです。ともにブラッシュアップし続けませんか?
下記の箇所に誤りがございました。謹んでお詫びし訂正いたします。
このたびは『Phaseで見極める!小児と成人の風邪の診かた&治しかた』をご購入いただきまして誠にありがとうございました。
本書に下記の変更がございますので,訂正するとともに,謹んでお詫び申し上げます。
頁 | 誤 | 正 |
34頁 「川崎病」2つめの段落 |
▶病初期には発熱のみしかみられず,3~5日の発熱が続き,他の症状がそろってきてようやく診断できる。すべての症状がそろわない不全型もあり,診断が悩ましいこともある。 |
▶病初期には発熱のみしかみられず,他の症状がそろってきてようやく診断できる。すべての症状がそろわない不全型もあり,診断が悩ましいこともある。2019年に発熱の持続日数は削除された。 |
頁 | 誤 | 正 |
34頁 主要症状 |
①5日以上続く発熱(ただし,治療により5日未満で解熱した場合も含む) ④不定形発疹 |
①発熱 ④発疹(BCG接種痕の発赤を含む) |
頁 | 誤 | 正 |
63頁 |
sickenomg |
sickening |
頁 | 誤 | 正 |
67頁 図4内文字 |
上顎洞自然孔 |
上顎洞自然口 |
頁 | 誤 | 正 |
86頁 5行目,6行目 |
▶高齢者は肺炎を起こしたとしても呼吸数が上がらないこともあり,心不全の治療としてβ-blockerを内服中であれば,なおのこと呼吸数は増加しにくいため注意する。 |
▶高齢者は肺炎を起こしたとしても脈拍数が上がらないこともあり,心不全の治療としてβ-blockerを内服中であれば,なおのこと脈拍数は増加しにくいため注意する。 |
頁 | 誤 | 正 |
116頁 表36 |
アドレナリン*(ボスミンⓇ外用液0.1%) |
アドレナリン*(ボスミンⓇ外用液0.1%:吸入) |
頁 | 誤 | 正 |
138~139頁 |
4人1人 20人1人 3人1人 8人1人 |
4人に1人 20人に1人 3人に1人 8人に1人 |
頁 | 誤 | 正 |
139頁 図2 |
図内脚注:2歳未満+片側性 |
図内脚注:2歳以上+片側性 |
頁 | 誤 | 正 |
240頁 18行目 |
⑪と⑫は“聴診三角”と言い,僧帽筋外側下縁と広背筋上筋,肩甲骨下骨内側円に囲まれた筋層の薄い三角部位である。 |
⑮と⑯は“聴診三角”と言い,僧帽筋外側下縁と広背筋上筋,肩甲骨下骨内側円に囲まれた筋層の薄い三角部位である。 |
頁 | 誤 | 正 |
295頁 13行目 |
麻黄は,マオウ科マオウなどの植物の地下茎。 |
麻黄は,マオウ科マオウなどの植物の地上茎。 |
頁 | 誤 | 正 |
296頁 「葛根湯加川芎辛夷」,297頁「辛夷清肺湯」 |
※:クラシエは,1包2.5gと1包3.0gの2種類あり |
※:クラシエは,1包2.5gと1包3.75gの2種類あり |
頁 | 誤 | 正 |
背表紙 |
編:永田理希 |
著:永田理希 |