循環器編③ 日本プライマリ・ケア連合学会監修
本連載では,日本プライマリ・ケア連合学会/全日本病院協会が実施している「総合医育成プログラム」の中から,選りすぐりのクリニカルパールを紹介します。現場のニーズを熟知しているエキスパートが,プライマリ・ケア医にとって「まさにそこが知りたかった!」というポイントをわかりやすく解説します。
外来血圧が高くても家庭血圧が正常(白衣高血圧)であれば,心血管リスクは高くない。逆に,外来血圧が正常でも家庭血圧が高ければ(仮面高血圧),心血管リスクは非常に高い。つまり,家庭血圧が正常であれば,外来血圧が高く(白衣高血圧)ても低くても,心血管リスクは常に低い。一方,家庭血圧が高ければ,外来血圧が高くても低く(仮面高血圧)ても,心血管リスクは常に高い。すなわち,高血圧の評価には,家庭血圧に基づく評価が必須である。
高血圧の中でも心血管リスクに直結するのは,夜間高血圧と早朝高血圧(モーニングサージ)の両者である。したがって,この2つを検出できる朝起床後1時間以内の血圧測定値を,血圧評価の指標とする。