著: | 長尾大志(島根大学医学部教授) |
---|---|
判型: | B5変型判 |
頁数: | 464頁 |
装丁: | 2色刷 |
発行日: | 2025年04月06日 |
ISBN: | 978-4-7849-4375-3 |
版数: | 第4版 |
付録: | 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます) |
第1章 呼吸器の基礎知識
(1) 肺の解剖と低酸素の原理
(2) 呼吸器の診察法
(3) 呼吸器領域で使われる略語
(4) ウィズコロナ時代の咳の鑑別
(5) 咳の鑑別に必要な胸部画像の知識
(6) 肺の防御機構と痰
(7) 血痰・喀血・肺胞出血
第2章 呼吸器の検査
(8) フローボリューム曲線を理解する
(9) 動脈血ガス分析
(10) A-aDO2のややこしい話
(11) 気管支鏡について
第3章 ガイドラインに基づく肺炎診療
(12) 肺炎診療の基本的な考え方
(13) 市中肺炎
(14) 医療・介護関連肺炎、院内肺炎
(15) 抗菌薬の種類と特徴
第4章 その他の感染症
(16) インフルエンザ・COVID-19
(17) 長い長い結核の話
(18) 非結核性抗酸菌症
(19) 真菌感染症とニューモシスチス肺炎
第5章 間質性肺疾患
(20) 特発性間質性肺疾患
(21) 特発性でない間質性肺疾患
第6章 閉塞性肺疾患
(22) COPD
(23) 喘息
(24) 吸入療法
第7章 呼吸器疾患の治療
(25) 酸素療法
(26) 気胸・胸水・ドレナージ・局麻下胸腔鏡
(27) 癌化学療法
2013年に初版を刊行してから、早10年余が経過しました。本書のもとになったブログ「やさしイイ呼吸器教室」を書き始めた当初は「呼吸器に苦手意識を持つ初学者・非専門医の皆さんに、呼吸器内科の大切なところをお伝えする」「それによって呼吸器症状に悩み苦しむ患者さんを減らしたい」ということを目標にしていました。お蔭様で版を重ね、多くの方々に手に取って頂いたと伺っております。その点では一定の役割を果たしているかな、とは思うものの、まだまだ道半ば、2019年に刊行した第3版から5年が経過し、各種ガイドラインの更新もありまして、改訂が必要となりました。
改訂のポイントは2つあります。1つは第3版が564ページにもなり、手に取った瞬間「分厚っ!」となって敬遠される、という話を聞き及びました。「できる限りわかりやすくするために、しっかり細分化して説明する」というところに本書の役割があると感じておりますが、紙数の都合もあり、呼吸器領域ど真ん中ではない「心不全」「栄養」の項は割愛することにしました。また、胸部X線写真読影の基礎については『やさしイイ胸部画像教室』と重複するところがあり、そちらを参照して頂くことにいたしました。
2つめは時代も変わり、エキスパートオピニオンではなくエビデンスに基づいた記載が求められるようになっています。もちろんエキスパートオピニオンしかない世界もあるのですが、伝聞系を避け、可能な限り最新の知見を盛り込みつつ、引用文献についてはガイドライン等を中心として過剰にならないよう配慮しました。初学者にとっては「まず概要をパッとつかむ」ことが大切であり、そこに関しては変わらずわかりやすい表現を心がけました。