厚生労働省は22日、都道府県別診療科ごとの将来必要な医師数の見通し(たたき台)を医道審議会「医師分科会医師専門研修部会」に初めて提示した。
たたき台は、DPCデータなどを基に厚労省研究班等が集計した結果を踏まえ、同省が機械的に計算したもの。厚労省は2036年までに医師の地域偏在の解消を目指すとしている。たたき台では、36年の必要医師数や、必要医師数を達成するための年間養成数が示された。(詳しくは https://www.mhlw.go.jp/content/10803000/000482825.pdf )
36年に最も医師が足りなくなると推計されている内科で、必要な年間養成数が最も多かったのは神奈川県。16年から36年まで毎年224人の養成が求められるという。次いで東京都が222人、埼玉県が214人だった。必要な年間養成数が最も少なかったのは鳥取県と島根県で13人。徳島県と高知県が14人、和歌山県が16人だった。
内科に続いて医師が足りなくなるとされている外科で、必要年間養成数が最も多かったのは、東京都で123人。神奈川県(88人)、愛知県(75人)と続いた。最も少なかったのは、鳥取県で5人。島根県、徳島県、高知県では6人だった。
医師数が36年に最も過剰と推計されている精神科で必要年間養成数が最多だったのは埼玉県と愛知県で18人。神奈川県が17人、千葉県と大阪府が16人だった。その一方で、島根県、徳島県、高知県、佐賀県、熊本県、沖縄県では0人と推計された。
厚労省は提示した推計について、「実際の診療データに基づき、現状の各診療科の診療実態を反映したエビデンスに基づくもの」としつつ、現状の診療科と疾病等の対応が将来維持されるものと仮定したものであり総合診療の領域の役割などについて別途検討する必要性を指摘。今後、議論を踏まえ見直しを図る方針だとしている。