アストラゼネカは10月2日、オックスフォード大と開発中の新型コロナウイルスワクチン「AZD1222」の日本国内での治験(第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験)を再開したと発表した。
「AZD1222」の治験は世界各国で進められているが、英国で実施中の第Ⅲ相試験で原因不明の病状を呈する1件の事象が発生したため、9月6日からすべての治験を一時的に中断(9月9日発表)。9月4日に開始が発表されたばかりの日本国内の治験も中断された。
その後、英国、ブラジル、南アフリカ、インドでの治験は、各国規制当局の確認のもと再開。
アストラゼネカは日本国内の治験についても、英国での評価結果とこれまでに得られた安全性データの評価、医薬品医療機器総合機構(PMDA)との協議を経て「被験者の安全性に配慮した形で試験を再開することは可能」と判断、再開することを決めた。
「AZD1222」の国内治験は、日本人に接種した際の安全性と有効性を評価するのが目的。複数の施設で18歳以上の被験者約250人を対象に実施する。厚生労働省は、「AZD1222」の開発に成功した場合、2021年初頭から1.2億回分のワクチンの供給(うち3000万回分は3月までに供給)を受けることでアストラゼネカと基本合意しており、治験の行方が注目される。