アッヴィは3月14日、片頭痛予防薬アトゲパントについて、国内における製造販売承認の申請を行ったと発表した。
アトゲパントは、成人の片頭痛の予防薬として開発された1日1回経口投与のカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体拮抗薬。CGRPとその受容体は片頭痛の病態生理に関与する神経領域に発現し、片頭痛発作時にはCGRP濃度が上昇するため、選択的CGRP受容体拮抗薬が片頭痛に臨床効果をもたらすとされている。
今回の申請は、主に慢性片頭痛と反復性片頭痛を有する成人患者を対象とした国内第2・3相臨床試験および国際共同第3相臨床試験の結果に基づき行われた。これらの試験は投与開始から12週間における平均月間片頭痛日数のベースラインからの変化量、有害事象が発生した参加者の割合などを主要評価項目として実施された。
同剤は2021年9月に反復性片頭痛、2023年4月に慢性片頭痛の予防薬として米国FDAの承認を取得した。米国では「QULIPTA」、欧州では「AQUIPTA」の製品名で販売され、約50カ国で承認されている。
片頭痛の国内有病率
国内の片頭痛有病率(15歳以上)は8.4%。特に30~40歳代の女性で多くみられ、30歳代女性の有病率は約20%、40歳代女性は約18%との報告がある