政府は2月5日、後期高齢者の窓口負担見直しなどを盛り込んだ「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案」(以下、健保法等一部改正案)を閣議決定し、通常国会に提出した。
健保法等一部改正案は、①全ての世代の安心を構築するための給付と負担の見直し、②子ども・子育て支援の拡充、③生涯現役で活躍できる社会づくりの推進(予防・健康づくりの強化)―などが柱。
①では75歳以上の後期高齢者のうち、3割負担の現役並み所得者を除く、一定所得以上の者について、窓口負担割合を2割に引き上げる。一定所得以上の基準は、単身世帯の場合、課税所得が28万円以上かつ年収200万円以上(複数世帯の場合は後期高齢者の年収合計が320万円以上)とし、生活習慣病などで頻回な外来受診が必要な後期高齢者を対象に、施行後3年間は1カ月の窓口負担の増加額を最大でも3000円に収めるための配慮措置も設ける(いずれも別途、政令で規定)。施行日は、2022年10月1日から23年3月1日までの間の政令で定める日とする。
③では、オンライン資格確認システム(21年3月稼働予定)を基盤に、患者本人や医療機関、薬局がパソコンやスマートフォンなどで保健医療情報を閲覧できる仕組みを構築するための法整備として、事業主健診情報の企業から保険者への提供や、特定健診情報の保険者から後期高齢者医療広域連合への引き継ぎを可能とする規定を設ける。施行は22年1月1日から。