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エーザイ:抗がん剤「レミトロ」発売、末梢性T細胞リンパ腫などに効果[新薬開発・販売 FRONTLINE]

No.5068 (2021年06月12日発行) P.15

登録日: 2021-06-08

最終更新日: 2021-06-08

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エーザイは5月19日、「再発または難治性の末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)」「再発または難治性の皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)」を効能・効果とする抗がん剤「レミトロ点滴静注用300μg」(一般名:デニロイキン ジフチトクス)の販売を開始した。薬価は300μg 1瓶8万5610円。

レミトロは、IL-2とジフテリア毒素の部分配列からなる融合タンパク質。腫瘍細胞表面上のIL-2受容体と特異的に結合し、細胞内に移行したジフテリア毒素断片がタンパク質合成を阻害することにより、細胞死を誘導し抗腫瘍効果を示すと考えられている。

国内で実施された臨床第2相試験(205試験)で、PTCL患者(17人)、CTCL患者(19人)の奏効率(Objective Response Rate:ORR)はそれぞれ41.2%、31.6%、患者全体(36人)の奏効率は36.1%に達したとされている。国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定の症例数に達するまでの間、全症例を対象に使用成績調査が行われる。

PTCLはT細胞非ホジキンリンパ腫の一種、CTCLは皮膚原発性の非ホジキンリンパ腫の一種。国内の患者数はPTCLが6000人未満、CTCLが4000人未満と推計されている。

「レミトロ点滴静注用」の用法・用量
1日1回9μg/kgを1時間かけて5日間点滴静注した後16日間休薬。この21日間を1サイクルとして最大8サイクル投与を繰り返す(患者の状態により適宜減量)

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