ヤンセンファーマは9月27日、抗悪性腫瘍剤「イムブルビカカプセル140mg」(一般名:イブルチニブ)について、「造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病」の効能・効果の追加承認を同日付で取得したと発表した。
慢性の移植片対宿主病(GVHD)は、一般的に造血幹細胞移植後100日以降に発症する合併症。ドナーから移植された免疫細胞が患者の組織を「非自己」と認識し、免疫応答を起こすことで発症し、口内炎、息切れ、四肢・関節の疼痛、肝障害による肝不全など複数の臓器に影響を及ぼす可能性がある。移植を受けた成人の30~70%、小児の20~40%が慢性GVHDを発症すると推計されている。
イブルチニブは、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)を持続的に阻害することで、慢性GVHDにおける異常な免疫応答を抑制すると考えられている。
今回の承認は、造血幹細胞移植後、ステロイド依存性または抵抗性の慢性GVHD患者を対象に米国で実施された第1b/2相試験、日本で実施された第3相試験の結果に基づくもの。主要評価項目である全奏効率でイムブルビカの有効性が確認されている。
「イムブルビカカプセル」に追加された効能・効果と用法・用量
【効能・効果】造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病(ステロイド剤の投与で効果不十分な場合) 【用法・用量】420mgを1日1回経口投与。患者の状態により適宜減量