沢井製薬を傘下に持つサワイグループホールディングス(サワイGHD)は12月3日、抗真菌剤のジェネリック医薬品への睡眠導入剤混入事案で2021年2月に業務停止命令などの行政処分を受けた小林化工と、同社の医薬品製造設備等の資産および関連部門人員を譲り受けることで合意し、譲渡契約を締結したと発表した。譲渡完了は2022年3月末の予定。
サワイGHDは、ジェネリック医薬品業界の安定供給体制実現には生産能力増強のための製造施設と人材が不可欠と判断し、小林化工との間で交渉を進めてきた。譲渡契約により自社生産能力を段階的に増強し、年間200億錠以上の生産体制を早期に確立、2030年には230億錠以上まで生産能力を増強する方針だ。
澤井光郎グループCEOは今回の合意について「ジェネリック医薬品業界への貢献、ひいては医療関係者・患者のお役に立つための一歩と信じている」とコメントしている。
福井県あわら市に所在する小林化工の清間第一工場(写真)などの資産は、サワイGHDの新設子会社「トラストファーマテック」に譲渡。資産譲渡に伴い関連部門の従業員も新設子会社への転籍が可能になる。
小林化工の譲渡対象施設
矢地第一工場・第二工場・オンコロジーセンター・R&Dセンター、清間第一工場・第二工場、総合物流センター、製剤技術総合研究所(いずれも福井県あわら市)