厚生労働省は13日、2015年度概算医療費が前年度比3.8%増の41.5兆円となり、13年連続で過去最高を更新したことを公表した。調剤医療費は9.4%の大幅増。C型肝炎治療薬「ハーボニー」「ソバルディ」の薬価収載で、調剤医療費が約3000億円膨らんだことが影響した。
後発医薬品の普及促進など医療費適正化に向けた施策により、過去3年間の概算医療費(用語解説)は1.7%、2.2%、1.8%増と低位に推移してきた(表)。しかし、15年度は3.8%増となり、2008年以降で最も大きな伸びを示した。診療種類別内訳は、入院16.4兆円(構成割合39.5%)、入院外14.2兆円(同34.3%)、歯科2.8兆円(同6.8%)、調剤7.9兆円(19.0%)となっている。
厚労省は15年度集計の特徴として、前年度比9.4%の大幅増となった調剤医療費のうち、ともに年間1000億円以上の売上を記録したC型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」「ソバルディ錠」の影響が大きいと指摘。薬効分類別薬剤料では、両薬を含む化学療法剤が前年度比160%増の4751億円、そのうち抗ウイルス剤が前年度比249.1%増の4139億円となった(図)。両薬の薬剤料は約3000億円で、概算医療費の統計に反映されない院内処方の薬剤料を含めると1%程度医療費を押し上げる効果があったとみている。
なお、昨年12月に適応拡大されたがん免疫療法薬「オプジーボ」は、集計上「入院」に薬剤料が含まれるため、その影響は精査できていない。
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