日本医師会は6月1日、財務省財政制度等審議会が5月25日に取りまとめた春の建議「歴史の転換点における財政運営」に対する見解を公表した。
春の建議は、医療給付費抑制のためには効率的で質の高い医療提供体制の構築が必須とし、かかりつけ医の認定制度や患者がかかりつけ医と自身の医療情報を事前登録する仕組みの導入などを提言。日医は「かかりつけ医の法制化」のほか「給付費の伸びと経済成長率の整合性」「医療法人の事業報告書の電子開示」「リフィル処方箋」の考え方についても「大きな問題がある」と指摘した。
「かかりつけ医機能の要件を法制上明確化」することについては、医療費抑制のために国民の受診の門戸を狭めることであれば認められないという姿勢を改めて強調。患者の医療へのアクセスが悪くなり、健康状態が悪化するようなことになれば「本末転倒」と制度化の動きを牽制した。
2022年度の診療報酬改定率を巡る厚生労働相・財務相の閣僚折衝で導入されたリフィル処方箋については、合意文書に「医師の処方により」「医師および薬剤師の適切な連携の下」で行うものと明記されたことが重要と指摘。処方権を持つ医師の判断を優先すべきとの考えを示した。
日医は各論の中でも多々問題があるとし、今後、審議会等で意見を述べていく方針だ。