株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

■NEWS 包括期病棟の救急・後方支援機能の評価のあり方を議論―入院・外来医療分科会

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

診療報酬調査専門組織の入院・外来医療等の調査・評価分科会は911日、包括期入院医療を担う医療機関の救急搬送受け入れ機能や在宅・施設等の後方支援の機能の評価を巡り議論した。

包括期の入院医療を担う病棟のうち、地域包括医療病棟の施設基準では①救急搬送による入院患者の割合15%以上、②在宅復帰率8割以上、③平均在院日数21日以内―であることが求められる。いずれも地域包括ケア病棟より高い基準となっているが、分科会に提示されたデータによると、救急搬送や緊急入院を多く受け入れている地ケア病棟を持つ医療機関では、多くがこれらの基準を満たしていることが明らかになった。

一方、地域包括医療病棟の一部は介護施設の協力医療機関として施設からの緊急入院を多く受け入れていた。だが、協力医療機関における入院受け入れを評価する「協力対象施設入所者施設加算」は、施設基準として在宅療養支援病院、在宅療養後方支援病院または地域包括ケア病棟を有する病院であることを求める施設基準を満たせないため、算定できない状況にある。

こうした現状を踏まえ中野惠委員(健康保険組合連合会参与)は、救急搬送の受け入れ実績、在宅復帰率とも高い地ケア病棟の評価を充実させる必要性を指摘。地域包括医療病棟については津留英智委員(全日本病院協会常任理事)が、101の急性期病棟などからの転換の場合に、在宅療養後方支援病院(200床以上)や「在宅患者緊急入院診療加算」(400床以上)などにおける病床規模要件が後方支援推進の妨げになる可能性があると懸念し、何らかの配慮を行うよう求めた。

■地域包括医療病棟の緊急入院と予定入院、出来高実績点数に1日約440点の差

同日は、入院料に包括される範囲内の出来高実績点数の分析データも示された。それによると地域包括医療病棟は、緊急入院が多い診断群や手術の実施が少ない診断群で出来高実績点数が高いこと、手術を行わない緊急入院群は手術目的の予定入院と比べると、患者1日当たりの出来高実績点数の平均値が約440点高いことが分かった。内科系症例の多い病棟と外科系症例の多い病棟で包括部分の評価に格差が生じている可能性があり、牧野憲一委員(旭川赤十字病院・特別顧問・名誉院長)は、出来高実績点数の高低に応じて包括部分の報酬に差をつけるような評価への見直しを提案した。

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

関連求人情報

関連物件情報

もっと見る

page top