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■NEWS 医師の働き方改革でC-2水準の申請は7.4%―日医評価センターが集計

No.5171 (2023年06月03日発行) P.71

登録日: 2023-05-25

最終更新日: 2023-05-25

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日本医師会は524日の記者会見で、202441日から始まる医師の働き方改革について、同会の医療機関勤務環境評価センターが全国の医療機関から受け付けている特例水準の評価受審申込状況を発表した。

評価受審申込件数は522日現在で121件。センターが発足した昨年10月には0件、11月には2件、12月には0件などと低調だったものの、3月は32件、4月は48件、5月は24件と今年に入って伸び始めている。

この121件(うち大学病院は分院を含めて40数件)の指定申請予定の特例水準の内訳をみると、B水準が84.2%(大学病院に限ってみると59.4%、以下同)、連携B水準が37.9%87.5%)、C-1水準が36.8%31.3%)、C-2水準が7.4%6.3%)―という結果だった(複数の類型を申請している病院があるため合計は100%を超える)。

2024年度以降、勤務医の時間外・休日労働時間の上限は年間960時間(A水準)となるが、やむを得ず超えてしまう場合のため特例上限として1860時間が設定され、病院の機能によってB水準(救急病院等)、連携B水準(医師を派遣する病院)、C-1水準(臨床・専門研修)、C-2水準(高度技能の修得研修)―の4類型が設けられた。このうちB水準、連携B水準は2035年度末には終了する予定。これら特例水準を適用するには同センターの評価を受け、都道府県の指定を受ける必要がある。スケジュールとしては、今年1012月に指定申請の締切が行われる都道府県が多いとされる。 

■書類作成の参考に解説集の要約版を作成

524日の会見で申込状況を発表した城守国斗常任理事は、最終的な申請件数について、「厚労省の直近の調査では500件強と報告されている」と述べ、当初予想されていた700800件よりは少なくなる見込みであることを説明。これまで病院から書類の作成に関して多くの質問が寄せられたことから、参考となるよう解説集の要約版を作成したことを明らかにした。同センターのサイトからダウンロードできるとしている。

なお、日本医師会は、わが国の医学研究の水準を維持・向上させるため、大学病院などに向けてC-2水準の申請を検討するよう呼びかけてきた。しかし今回の集計結果をみると、大学病院でも9割近くが連携B水準で、C-2水準は6.3%の申請にとどまっている。

この点について城守常任理事は、「C-2水準は当初、かなり高度な機能を持った医療機関に限った技能とアナウンスされたため、申請は少なかった。しかし、厚労省からC-2対象技能の考え方を改めて大学にアナウンスしており、今年度から申請は増えるのではないかと見込んでいる」との見方を示した。

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